予告通り今日は「実は台詞うろ覚えだったんだぜ編」!
昨日も書いた通り役者は準備しすぎてはいけないと僕は思ってます。
ただ、どの現場でも、映画だろうが舞台だろうが共通してやらなくちゃいけない最低限の準備は
台詞を覚えること!
経験者であろうが初心者であろうが台詞を覚えるのは時間さえかければ誰でも出来る最低限の準備だと思います。
あれ?台詞うろ覚えだったんでしょ。
最低限の準備も出来てないじゃんサイテー。と思ってるそこのあなた。
違うんです!!(笑)
すでにご覧になった方はご存知かもしれませんが、今回の作品には多数ナレーションが入ってくるシーンがあります。
ですが、台本ではもっと多くのナレーションのシーンがありました。
現場の判断でいくつかのナレーションのシーンを独白のシーンに変えたんです。
誤解ないように書いておきますが、決して意地悪ではないですからね(笑)
先日のLINELIVE配信でも監督はおっしゃってましたが、作品をより良くするために現場で色んな判断を下したということです。
いくつかのナレーションのシーンが独白シーンに変わった。
つまりどういうことかというと
覚える台詞が増えた!
しかも現場で!!(笑)
短い撮影期間の中、うろ覚えで独白シーンを撮る。
もう、恐怖です(笑)
ビビリな僕にはうろ覚えでカメラ前に立つなんて耐えられません!
なんとか気合いで台詞を入れて撮影したのですが、ワンシーンだけどうしても覚えきれないシーンがありました。
台詞量は多く、シーン的にもとても大事。
うろ覚えで、中途半端な感情で撮ったら絶対にいけないシーン。
そんな大事なシーンを前に
一生懸命台詞を覚えてた僕は
諦めました。
最初のパートだけ覚えてあとは実際の感情のまま、感じたままに喋ろう。
もちろん台本上の流れは崩さないように。
腹を括りました。
迎えた本番。
脚本の中井さんの目の前で、僕は台本とは全く違う台詞を話してました。
暴挙です。
普通の現場では絶対にやってはいけません。
この現場だからこそ、中井さんだったからこそ許されたこと。
感謝です。
本当に得難い経験でした。
ナレーションが独白になった時はマジでヤバい!!と思いましたが、完成した作品を見た時、独白でよかったんだなとしみじみ思いました。
画面の中にはうろ覚えでしか見つけられないテルミンが確かに存在していた。
あの独白シーンは僕の好きなシーンの中の一つです!
クラウドファンディングで映画「朝陽が昇るまで待って」の台本がもらえるリターンがあるので台本を持ってる方は是非見比べてみてください(笑)
多分、今後二度とうろ覚えでカメラ前に立つことは無いと思います。
多分ね!!(笑)
だからこそ、今回得られた経験は絶対に今後の俳優人生の糧になると思う。
カメラ前で確かに存在できたこと。
これは一生忘れられない、大切な瞬間だったと思います。
吉木遼